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2013 年度 実施状況報告書

メタ存在論における反実在論的アプローチの擁護可能性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 24720007
研究機関一橋大学

研究代表者

井頭 昌彦  一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (70533321)

キーワードメタ存在論 / デフレ主義 / 物語り論 / 自然主義 / プラグマティズム
研究概要

平成25年度はメタ存在論におけるデフレ主義的アプローチについてのサーベイを行い、そのうちで有望と考えられるH. PriceのPragmatic Naturalism路線について検討を進めた。また、この路線の応用例として「自由意思と決定論の問題」に関する対処法としての物語り論的アプローチに注目し、論文「ホモナランスの可能性」(2006)をはじめとした野家啓一による一連の科学のナラトロジー研究について論点整理を行った上でその改善の方向性について検討を行った。
前者のPragmatic Naturalism路線については、基本的にその内容を「物理主義や科学主義を排したリベラルな自然主義」「メタ形而上学におけるカルナップ的デフレ主義」「意味論的関係よりも語用論的規範を優先させる語用論主義」「表象概念についての複数主義」という4点にまとめた上で、オーストラリアの一部で提唱されている "Sydney Plan" との関係を整理しつつ、その問題点を指摘した。この研究成果の一部は、2014年6月7日開催予定の一橋大学哲学・社会思想学会シンポジウム「ネオ・プラグマティズムの現在」において発表の上で、論文としての公刊を予定している。
後者の「自由意思と決定論の問題への物語り論的アプローチ」の検討については、『一橋社会科学』の特別号に「複数のコンテクストは(そもそも/どの程度)統合されねばならないのか?――物語り論における「法則適合性」条件の有効射程を手がかりに――」と題した特集論文を寄稿する予定である(掲載決定済)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最近のメタ哲学に関する文献の加速度的な増大により、十分なサーベイができていない側面がある一方で、本研究が指向しているデフレ主義的かつ自然主義的なメタ形而上学の具体的内容に関しては、Pragmatix NaturalismやSydney Planに関する研究が増えてきたことにより、共通点と差異の抽出という形でより明確な輪郭を描けるようになってきており、この点では想定していた以上の前進が見られている。

今後の研究の推進方策

基本的には、申請時点の計画に沿って研究を進めていくが、特に本研究が採用するデフレ主義的アプローチ一層の明確化と、それに大きく関連するものとして近年盛んに論じられている「真理の複数主義」の諸立場との関係性を整理することに特に注力していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

微細な残額が出たため、翌年度の予算と会わせることでより効率的な執行を行うこととした。
基本的には物品費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Pragmatic Naturalism / Sydney Planとその問題点(仮)2014

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      一橋大学哲学・社会思想学会
    • 発表場所
      一橋大学(東京都)
    • 年月日
      20140607-20140607
  • [学会発表] 「痛みを感じられるロボット」はどうやればつくれるか?2013

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      日本社会心理学会第54回大会ワークショップ「構成論的人間理解論ーーロボット工学・社会心理学・科学哲学ーー」
    • 発表場所
      沖縄国際大学(沖縄県)
    • 年月日
      20131102-20131102
  • [学会発表] 《可変性を伴う主観的リスク認知》としての安心感2013

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      日本ロボット学会・安心ロボティクス研究専門委員会(第7回)
    • 発表場所
      KEEPFRONT会議室A(沖縄県那覇市)
    • 年月日
      20131101-20131101
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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