研究概要 |
今年度は、メタ形而上学と分析哲学における概念分析の役割に関するサーベイを中心的に実施した。今年度の補助金は、それを実施するための書籍の購入と成果発表を行なった国際会議に参加するための旅費、および研究打ち合わせのための旅費として使用した。 サーベイの中心となったのは、Sider (2012), Writing the Book of the WorldやBraddon- Mitchell and Nola, (eds.), (2009), Conceptual Analysis and Philosophical Naturalismである。これらにより、現在のメタ形而上学の最新状況がかなり明確になった。名古屋大学情報科学研究科複雑系科学専攻多自由度システム情報論講座主催の「多自由度コロキウム」における講演は、この成果の一部を含んだものである。 上記サーベイにより得られた知見を分析形而上学における中心問題のひとつである様相実在論に関する議論に応用した結果、様相実在論に対する新たな決定的な反論を構成可能であることが分かった。この成果は、First Conference on Contemporary Philosophy in East Asiaにおいて発表した。 また、三田哲学会主催シンポジウム「真理の形而上学―Truthmaker概念を中心として―」 においても今年度の研究成果の一部を含んだ発表を行なった。
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