ライプニッツの数理哲学の全体像を解明するという目的のもとで研究を進め、以下の点を解明した。まず、ライプニッツの空間論と幾何学研究の関連を先行研究よりもさらに精密に解明した。さらに、1695年以降の空間論の展開にはモナド概念が関わっていることも判明したので、合わせてモナドロジーに関する研究も行った。1695年以降のモナド概念の展開を明らかにし、さらに、ライプニッツによる単純実体であるモナドの存在論証に関して先行研究を批判的に検討し、モナドと合成実体との関係のように伝統的に解釈上の問題とされてきた点に関して、整合的な解釈を提示した。
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