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2013 年度 実施状況報告書

内部告発の多角的分析を通じた「規範性の境界」に関する哲学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24720018
研究機関南山大学

研究代表者

奥田 太郎  南山大学, 人文学部, 准教授 (20367725)

キーワード規範性の境界 / 内部告発
研究概要

本研究は、内部告発という具体的なテーマを哲学的に研究することを通じて、最終的には、規範性一般の内部と外部とを分かつ境界がどのような性質のものであり、いかなる条件によってそれぞれが成立するのか、という規範性の境界問題に応えることを目的としている。
本年度は、研究実施計画に従い、規範性の境界に関わるさまざまなアプローチからの検討を試みた。たとえば、中岡成文氏の著書『試練と成熟』をめぐるワークショップにて、自己変容と自己変容の語りとの隔たりを論じ、「自己変容」をとりまく規範性についての批判的考察を試みた。また、京都生命倫理研究会にて「内部告発における異議の構造」と題する報告を行い、「異議申し立て」という切り口から内部告発について検討する機会を得た。さらに、日本倫理学会シンポジウムにて「当事と他事の間で生き方を問う倫理学」と題する報告を行い、倫理学という営みに伴われる規範性の境界について考察を進めることができた。その他、全国万引犯罪防止機構や愛知県警が未成年を対象に実施した非行に関する意識調査の分析・報告にも携わり、実証的な知見から規範性についての知見を深めることができた。
なお、本年度の成果として、ブカレスト大学から出版されたFilosofia Japoneza Aziに収録された論文、“Avertizarea de integritate ca si conditie umana: o noua abordare filosofica a limitelor normanitivitatii”がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、本年度においてビジネス倫理に関連する、社会心理学的なアプローチの内部告発研究をサーベイする予定であったが、他の用務やスケジュールの関係上、着手することができなかった。規範性の境界に関わる研究を進めることはできているのに対して、地道に情報を収集し整理する時間的余裕がないことが遅れの主たる理由である。

今後の研究の推進方策

最終年度の平成26年度では、内部告発に関する哲学的な分析を試みる論文、および、規範性の境界問題に関する哲学的な分析を試みる論文の2本を執筆する予定であるため、早急にその準備に着手し、論文執筆とサーベイを同時並行で進めて行く。

次年度の研究費の使用計画

デスクトップマシンの購入を予定していたが、残額を上回る見込みが明確となったため。(帳尻合わせのための計画外の支出を避けるため)
デスクトップマシンの購入を行なう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 人道支援を支えるのは博愛か偏愛か2013

    • 著者名/発表者名
      奥田太郎
    • 雑誌名

      社会と倫理

      巻: 28 ページ: 149-159

  • [学会発表] 自己変容と自己変容の語りとの隔たり―中岡成文『試練と成熟:自己変容の哲学』(大阪大学出版会)を読んで

    • 著者名/発表者名
      奥田太郎
    • 学会等名
      応用哲学会第5回年次研究大会・ワークショップ「語る倫理学、ためらう哲学―応用と臨床のあいだ」
    • 発表場所
      南山大学
  • [学会発表] 共感から「正義」の話をしよう?―ヒュームとスミスの政治哲学の可能性と限界

    • 著者名/発表者名
      奥田太郎
    • 学会等名
      ヒューム研究学会第24回例会
    • 発表場所
      南山大学
  • [学会発表] 当事と他事の間で生き方を問う倫理学

    • 著者名/発表者名
      奥田太郎
    • 学会等名
      日本倫理学会第64回大会・共通課題「倫理学は生き方の指針を与えることができるのか」
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 招待講演
  • [図書] The Future of Bioethics: International Dialogues2014

    • 著者名/発表者名
      Akira Akabayashi, Tom L. Beauchamp, Daniel Callahan, Arthur Caplan, Norman Daniels, Tony Hope, Satoshi Kodama, Shunzo Majima, Masahiro Morioka, Eisuke Nakazawa, Justin Oakley, Taro Okuda, Ingmar Persson, James Sabin, Julian Savulescu, Susumu Shimazono, Robert Sparrow, Keiichiro Yamamoto and more...
    • 総ページ数
      786
    • 出版者
      Oxford University Press
  • [図書] Filosofia Japoneza Azi2013

    • 著者名/発表者名
      Shunzo Majima, Emanuel-Mihail Socaciu, Yasuo Deguchi, Mitsuhiro Okada, Shigeru Taguchi, Tatsuya Kashiwabata, Naoyuki Shiono, Tomohiko Kondo, Makoto Suzuki, Masahiro Morioka, Tetsuji Iseda, Masaki Ichinose, Taro Okuda, Tsuyoshi Awaya, and Nobutsugu Kanzaki
    • 総ページ数
      321
    • 出版者
      Editura Universitatii din Bucuresti

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公開日: 2015-05-28  

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