研究課題
若手研究(B)
田辺元(1885-1962)は西田幾多郎と並ぶ「京都学派」の代表的な哲学者である。しかし、西田に比べてその研究は十分に進んでいるとは言いがたい。その理由の一つとして田辺の哲学の統一的理解の難しさが挙げられる。本研究は、後期の田辺哲学において重要な役割を果たす「象徴」という概念(田辺は後年、ヴァレリーやマラルメの象徴詩の哲学的解釈を行なっている)が彼の哲学の包括的理解の鍵となると考え、田辺がなぜ象徴ということを論じなければならなかったのかという問題を明らかにした。
哲学