研究課題/領域番号 |
24720023
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊谷 竜太 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (50526671)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インド密教 / 曼荼羅儀軌 / 成就法 / ジュニャーナパーダ / ディーパンカラバドラ / ラトナーカラシャーンティ / ヴィタパーダ / アバヤーカラグプタ |
研究実績の概要 |
1)『四百五十頌』に説かれた成就法とそれぞれの儀礼との関係について、ディーパンカラバドラ自身が本書に示した記述が、ラトナーカラシャーンティ・ヴィタパーダ両『四百五十頌』の内容とどのように関係するのか分析・類型化し一覧に纏めた。『四百五十頌』に記述された儀礼内容は、1前段階の奉仕、2ー1地の浄化、2-2地の受納、3-1瓶の準備、3-2尊格の準備、3-3弟子の受認、4曼荼羅作成ならびに付属儀軌、5弟子引入儀軌、6狭義の灌頂儀軌、7曼荼羅の終結とその他の儀軌という全六改訂・計11項目に区分し得る。1が他の儀礼にどのように関わるのかに注目し整理した。 2)上記1)の内容がアバヤーカラグプタの曼荼羅儀軌『ヴァジュラーヴァリー』とどのようにつながるのか、『ニシュパンナヨーガーヴァリー』だけでなく『ヴァジュラーヴァリー』自体の観想に関わる文脈とを対照しながらさらなる解析を進めた。 3)以上1)・2)の内容理解に大いに資すると考えられる『サンプタウドバヴァタントラ』注『アームナーヤマンジャリー』解析に関わる予備調査を『サンプタタントラ』自体のサンスクリット写本に遡って進めた。『サンプタウドバヴァタントラ』には現在確認されている貝葉写本が4本あるが、その中欠損されているとされる1写本を除く完本3本を入手し、他の紙製諸写本ならびにチベット訳を対照し、主にタントラならびに『アームナーヤマンジャリー』第一章の解析作業をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『四百五十頌』自体の解析はおおむね順調であるが、『アームナーヤマンジャリー』ならびに『サンプタウドバヴァタントラ』から新たに得られた情報のフィードバックに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していたダルパナアーチャールヤの『クリヤーサムッチャヤ』に関しては、作業の進捗状況にあわせて『アームナーヤマンジャリー』関連の解析作業を優先し、対象となる内容を変更する可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費として購入を予定していた資料の一部が海外からの取り寄せであったため、年度内の納入が間に合わなかった。また、オンラインで閲覧が可能であった写本データベースが一時的に閉鎖されていたため、直接現地へ赴き写本を複写する必要があり、執行計画を変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に発注していた資料が到着次第物品費として執行する予定である。
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