• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

仏教論理学とジャイナ教論理学の比較研究:アルチャタとジャイナ教徒の対立と相互交渉

研究課題

研究課題/領域番号 24720029
研究機関京都産業大学

研究代表者

志賀 浄邦  京都産業大学, 文化学部, 准教授 (60440872)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアルチャタ / アカランカ / 仏教論理学 / ジャイナ教論理学 / 外遍充論 / 多面的実在論 / 国際情報交換(ドイツ・オーストリア)
研究実績の概要

平成26年度は主に,「アルチャタとアカランカの関係」について,原典研究と思想研究という二つの側面から考察した。まず基礎作業として,アカランカの2つの著作(『論理の決定』及び『定立の決定』)に対する二つの注釈書から,アルチャタという名と共に引用あるいは紹介されるパッセージを網羅的に収集するという作業を行った。その上で,それらのパッセージを『論証因一滴論注』におけるアルチャタ自身の見解と比較・対照した。その結果,二つの著作注釈書においてアルチャタに帰せられている説は,少なくとも『論証因一滴論注』からのリテラルな引用ではなく,むしろ同書に説かれている内容の要約あるいは思想・見解の引用である可能性が高いことが明らかになった。
その他,平成26年8月末にドイツ・ハイデルベルクにて行われた第5回国際ダルマキールティ学会では,“On the meaning of bahyartha in Dignaga’s and Jinendrabuddhi’s theories of inference”というタイトルで口頭発表を行った。本発表では,主に仏教論理学における遍充論を扱ったが,一部において,外遍充論との関係においてジャイナ教論理学者の見解についても言及した。また,共同研究プロジェクト「インド哲学諸派の<存在>をめぐる議論の解明」(ダルシャナ科研)の一環として平成26年9月に開催された合同研究会おいては,「仏教における存在と時間:三世実有論を再考する」というタイトルで口頭発表を行った。こちらは,シャーンタラクシタとその弟子カマラシーラによる『真理綱要(注)』「三時の考察」章に説かれる内容に沿って,仏教の存在論・時間論を考察するという内容であったが,発表の後半部において,説一切有部の三世実有論とジャイナ教徒をはじめとするインド哲学諸派の主張する存在論の関係性についても論じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 仏教における存在と時間:三世実有論をめぐる諸問題を再考する2015

    • 著者名/発表者名
      志賀 浄邦
    • 雑誌名

      インド哲学仏教学研究

      巻: 22 ページ: 151-174

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ダルマキーティの考える知覚 のメカニズム:心作用 (caitta) はいかにして はいかにして 知覚 されるか2015

    • 著者名/発表者名
      志賀 浄邦
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B) 「仏典における認識機序記述の研究 ―最初期から大乗に至る記述の構造的把握を通して」 第5回研究会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2015-02-22
  • [学会発表] 仏教における存在と時間:三世実有論をめぐる諸問題を再考する2014

    • 著者名/発表者名
      志賀 浄邦
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(A)「インド哲学諸派における<存在>をめぐる議論の解明」(ダルシャナ科研) 2014年度合同研究会
    • 発表場所
      長野県松本市(ホテルニューことぶき・会議室)
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-15
  • [学会発表] On the meaning of bahyartha in Dignaga's and Jinendrabuddhi's theories of inference2014

    • 著者名/発表者名
      志賀 浄邦
    • 学会等名
      5th International Dharmakirti conference (第5回国際ダルマキールティ学会)
    • 発表場所
      ドイツ・ハイデルベルク(ホテル・クラウンプラザ・会議室)
    • 年月日
      2014-08-26 – 2014-08-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi