本研究では、①1950年代前半/朝鮮戦争下での抵抗の経験と、②1970年前後/ベトナム戦争下での反戦運動の経験を、国際海港都市・神戸の運動経験の聞き取り作業・史料発掘により具体的に跡づけた。そのうえで、朝鮮戦争下での抵抗を担った人々が、60年安保闘争を経て若い世代の担い手を育成し、そのような若い世代により1965年の北爆開始後にベトナム反戦運動がはじめられ、さらに次の世代の人々がベトナム反戦運動・地域の課題に向き合っていくさまを明らかにした。 本研究は、地域における運動経験の世代間継承のさまを明らかにし、従来、党派や組織の歴史として細分化されてきた社会運動史研究に新たな方法論を提示した。
|