研究課題/領域番号 |
24720056
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
川畑 憲子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 主任研究員 (00463505)
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キーワード | 中国 |
研究概要 |
平成25年度は、提出した研究計画に従って、以下のように研究を遂行し、実績を得ることができた。 1.出土・螺鈿箱の調査----平成24年度の成果をもとに、さらに他機関の研究者と共同して科学分析調査をすすめることができた。当初の計画通りに遂行し、きわめて貴重なデータを得ることができた。 2.伝世・高麗螺鈿器および関連作品の調査----国内外に所蔵される高麗螺鈿器および関連作品(所蔵者:アメリカ・メトロポリタン美術館、東京・個人コレクションなど、計10ケ所)について詳細に観察するとともに、撮影をおこなった。これにより、研究対象を細部にわたって比較検討するための貴重な資料およびデータを得ることができた。 3. 制作地・制作年代の再検討----1、2で得た成果を踏まえて文献資料をあらためて博捜するとともに、他の遺物や他の出土事例とも合わせて検討をおこなった。これにより、高麗螺鈿の制作地・制作年代について再検討する手がかりをえることができた。また、考察の過程で発生した課題についても、検討を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的は、おおむね計画通り順調に達成している。いまだ未解明である高麗螺鈿の制作技法や、制作地、制作年代などについて科学分析や伝世品との比較調査を通じて明らかにするべく、研究を遂行している。 平成25年度は、研究計画に沿って「出土・螺鈿箱の調査」、「伝世・高麗螺鈿器および関連作品の調査」を中心にすすめることができた。他機関の研究者とも共同しながら、大変貴重な成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、提出した研究計画に従って以下のように研究を遂行したい。 1. 出土・螺鈿箱の調査----前年度までの分析調査を発展させ、研究対象についての貴重なデータをさらに得ることを目指す。また、これまでに得た科学分析の結果を他作品と比較検討することを計画している。 2.伝世・高麗螺鈿器および関連作品の調査----前年度から引き続き、国内外に所蔵される高麗螺鈿器および関連作品について詳細に観察するとともに、撮影をおこなう。これにより、研究対象を細部にわたって比較検討するための貴重な資料およびデータの蓄積を目指す。 3. 制作地・制作年代の再検討----前年度までの成果をふまえて、文献資料を博捜するとともに、設定した課題について検討を深めていく。また、考察の過程で新たに派生した課題についても視座を広げ、多角的に研究を行い、総括にむけて研究を推進させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画に沿って研究の遂行を目指したが、調査先との都合がどうしてもつかず、一部の調査を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、前年度に調査し残した分を取り戻すべく、早急に調査を実施する計画であり、すでに具体的な日程も調整している。
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