平成26年度は、提出した研究計画に従って、以下のように研究を遂行し、実績を得ることができた。
1.出土・螺鈿箱の調査----平成24年度および25年度の成果をもとに、さらに他機関の研究者と共同して科学分析調査をすすめることができた。当初の計画通りに遂行し、きわめて貴重なデータを得ることができた。 2. 伝世・高麗螺鈿器および関連作品の調査----国内外に所蔵される高麗螺鈿器および関連作品(所蔵者:中国・北京故宮博物院、京都・個人コレクション、イギリス・大英博物館など、計5ケ所)について詳細に観察するとともに、撮影をおこなった。これにより、研究対象を細部にわたって比較検討するための貴重な資料およびデータを得ることができた。 3. 制作地・制作年代の再検討----1、2で得た成果を踏まえて文献資料をあらためて博捜するとともに、他の遺物や他の出土事例とも合わせて検討をおこなった。これにより、高麗螺鈿の制作地・制作年代について再検討する手がかりを得ることができた。また、考察の過程で発生した課題についても、検討を深めることができた。
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