研究課題/領域番号 |
24720065
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
馬 定延 東京芸術大学, 大学院映像研究科, 助手 (90625047)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コンピュータアート / メディアアート / アートとテクノロジー / 現代美術史 / 国際情報交換 / イギリス・ドイツ |
研究概要 |
1. 初期コンピュータアートの成立に関する文献調査・川崎市民ミュージアム、イギリス、LondonのICAとTate Archive、ドイツ、KarlsruheのZKM訪問調査・国内外の関係者との口述対面調査を行った。 2. 上記の調査研究の成果に基づき作成し、国際学会, 「AAH (Association of Art Historians)2013: 39th Annual Conference」および 「RENEW 2013:5th International Conference on the Histories of Media Art, Science and Technology」に投稿した研究論文が採択された。前者はヨーロッパ最初の総合的日本現代アート展であった「Fluorescent Chrysanthemum」展(イギリス, ICA, 1968~1969:日本最初のCGアニメーション作品<風雅の技法>紹介)を切り口に1960年代日本アートとデザインの状況および国際化とテクノロジーに対する意識を分析した論文、後者は日本最初のコンピュータアートグループCTG (Computer Technique Group:1966~1969)の槌屋治紀氏のCTG以後の活動と研究を通して、初期コンピュータアートの思想が現在において持つ意義について考察する論文である。 3. 国際情報交換による研究体制整備:初期コンピュータアートの記念碑的な展覧会「Cybernetic Serendipity: the computers and the arts」展(イギリス, ICA, 1968)および「Fluorescent Chrysanthemum」展の企画者のJasia Reichardt氏を訪問。今後、Jasia Reichardt Archiveとの持続的な研究協力体制を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査、訪問調査、対面口述調査およびそれに基づく複数の国際学会論文投稿・採択まで、本研究の初年度である24年度研究計画はおおむね成功的に達成された。 集中的に取り扱う予定だった、初期コンピュータアートの基点となる展示「Cybernetic Serendipity: the computers and the arts」展に関する研究方法には若干の修正が加われた。当初は初年度中に資料を一括的にデジタル・データベース化する予定だったが、資料の所在と状況の把握・閲覧・解読作業の後、まずはその展示を前後する文脈をを国際的動向と現代美術史との関係性の中で学術的に検証する必要があると判断されたからである。その結果、「コンピュータをはじめとする電子メディアを用いた芸術表現の歴史的文脈を明確にすることによって、国際的な関係の中でのこの分野の位置づけを行う」という本研究の目的に相応しい、有意義な拡がりを持つことになったと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
採択された論文を国際学会に発表し、海外の関係者および関連研究者と緊密な意見交換と追加的資料調査を行い、さらに海外発表の結果を国内に論文などで発信する。 コンピュータアートの黎明期から半世紀以上にわたるアートとテクノロジーの膨大な資料が保管されているJasia Reichardt Archiveを中心に、特にReichardt氏が深い関わりを持って来た1960年代以降の日本関連資料を日本国内資料と総合的に整理することで、この分野における国際的同時代性を検証する。 最終報告書作成に着手する一方、諸関係者の協力下で、3年間の成果を国内外の多くの人々と共有できる資料集・データベースとしてまとめる具体的方法を引き続き模索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会発表および国内外アーカイブ資料調査・口述対面調査のための旅費 (1) AAH (Association of Art Historians) 2013: 39th Annual Conference and Book Fair 論文発表: 2013年4月 11~13日、イギリス、Reading (2) RENEW: 5th International Conference on the Histories of Media Art, Science and Technology論文発表、2013年10月8~11日, ラトビア、Riga (3) Jasia Reichardt Archive, イギリス、London (4) 名古屋市美術館
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