研究概要 |
初期コンピュータアートの成立に間する歴史的な展示「Cybernetic Serendipity: the computer and the arts」(ICA, London, 1968)展のアーカイブ資料を川崎市民ミュージャムで調査・解読する作業から始まり、その後、イギリスのTate美術館所蔵のICAアーカイブと企画者Jasia Reichardt氏の個人アーカイブを訪問調査を経て、Reichardt氏との継続的な研究協力体制のなかで研究を行ってきた。 (1)Reichardt氏の企画による総合的日本現代アート展「Fluorescent Chrysanthemum」(ICA, London, 1968-1969)の未公開資料を元に、1960年代の日本現代アートの状況と意識を論じた研究論文をイギリスのAAH(Association of Art Historians)と日本表象文化論学会大会で発表した。(2) 審査委員としてReichardt氏が深く関わった、アートとテクノロジーに特化された国際美術展「名古屋国際ビエンナーレARTEC」(1989-1997)の未公開アーカイブをの調査・解読に着手し、ドキュメント集作成プロジェクトに取り組んでいる。 その一方、(3)「Cybernetic Serendipity」に日本から唯一の出展者であるCTG (Computer Technique Group)の槌屋治紀氏のいままで知られてこなかった活動と、この分野における意義について、国際学会「RENEW: the 5th International Conference on the Histories of Media Art, Science and Technology」と東京藝術大学大学院研究紀要を通して発表した。
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