本研究は、1900-30年代にかけての西ヨーロッパの美術と建築における、遠近法の描き方のひとつである軸測投影(axonometric projection)の影響を検証するものである。主たる考察の対象としたのは、ル・コルビュジエ(1887-1965)、ピート・モンドリアン(1872-1944)、テオ・ファン・ドゥースブルフ(1883-1931)、ゾフィー・トイバー(1889-1943)らの仕事である。本研究は、工法的視点から発展した軸測投影が内包する美的効果が、これら前衛芸術家たちの芸術営為に反映されていることを明示した。
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