研究課題
若手研究(B)
私の研究は、明治中期における「写実」理念の形成過程を再検討することを目指した。従来の研究ではとくに坪内逍遙『小説神髄』がこの文脈で重視されてきた。しかし徳富蘇峰、山路愛山をはじめとした民友社同人、キリスト教知識人、ジャーナリストなども「写実」理念の形成に密接に関わっていたと考えられる。本研究は、こうした知識人たちの動向を視野に入れることで、明治中期の文学変革の展開をいっそう十全とした形で浮かび上がらせた。
日本近代文学