研究課題
若手研究(B)
本研究は、桜痴の文芸教養の背景及び周辺の知的ネットワークに注目することで、彼の文芸活動の全体像を明らかにすることを試みた。福地桜痴の教養形成については、父苟庵の文学論の影響とそれへの反撥が、桜痴の文学論の土台となっていることを明らかにした。また、上京後の交友関係と「文学」論の関係の再検討し、戯作者との交友や洋行体験が苟庵の文学論から離脱の推進力となったことを示した。更に、桜痴の「翻案物」の受容について考察を行い、桜痴の存在が近代文学者にとってどのような意味を持ったのかを検討した。
日本近世文学、日本近代文学