研究課題/領域番号 |
24720133
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ワーズワース / 英詩 / ロマン主義 / 古物研究 / 英詩人の旅行 / イギリス文学 / イタリア / 19世紀 |
研究概要 |
平成24年度の研究の主な課題は英国で出版予定の本の二つの章を出版社による審査のために改訂し、それを提出することだった。求められた改訂が多かったので、昨年の夏は英国の国際会議に出席せずに日本でこの二つの章に関して研究し、書き直して昨年の10月に書き終え、11月に提出した。5ヶ月後の今年4月に出版社からこの本を出版することに興味があるという返事をもらったが、最終決定の前に更に二つの章を見てみたいと言ってきた。一つは第5章「The Excursionにおける古物研究的表現と隠喩」で草案してあるが、かなりの手直しが必要と思われる。 もう一つは第6章:「ワーズワースのソネットにおける古物研究」である。この章は「Wordsworth Summer Conference 2013」で発表するために予定通り完了させるつもりである。この修正した5章と新しく加えた6章は今年の10月に出版社に提出予定である。 上記とは別に平成24年度には3つの具体的な研究成果があった。(1)研究計画で述べたように「Wordsworth Winter School」の国際会議に出席し、基調講演をした。この講義内容は平成25年2月に日本で出版される予定である。(2)ワーズワースの旅行についての一つの記事を日本の学術誌に発表した。この記事は研究本の第1、6、7章の研究を利用した。(3)第7章のワーズワースのイタリア旅行に関する章の研究は「Oxford Handbook of William Wordsworth」のために執筆している‘Itinerant Wordsworth’という章に組み込まれた。この本はまだ出版していないが、今回の章はこの科研費実績に含めることができる。この章に関連して、Oxford University Pressから「旅行者と収集家としてのワーズワース」のテーマで執筆依頼が来る可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英国の「Palgrave Macmillan」という出版社はこの本を出版することに関心を示している。平成25年11月までにあと二つの章を出す予定であるが、その章の半分はすでに執筆済みで、残る半分も原稿はできている。本が実際に印刷されるまでにどの位かかるか予測することは難しいが、この2年プロジェクトのゴールは原稿を書き終え、出版社との契約を取ることである。私の研究はこのゴールに向かって予定通り進んでいるので、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」と言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には、本を予定通りに完了するために、多くの研究と執筆が必要であると予想される。従って平成25年度の具体的な研究実績には招待講演が一つと1、2の雑誌論文が含まれると思う。その本の出版契約が確定することが25年度の研究推進の最大の結果となるはずである。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の主な研究費:(1)「Wordsworth Summer Conference 2013」という国際会議出席の為の旅費(2)出版社の依頼による本の第6、7章更なる研究の為、イタリアへの旅費。平成25年2月に別の研究の為に大英図書館訪問が必要になる可能性があるが、これは他の大学助成金によって賄われることになるかもしれない。「Wordsworth Summer Conference 2012」に出席できなかったので、平成24年研究費の未使用額がある。未使用額は平成25年度の海外出張旅費に加えて使用する。
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