本研究の目的は(1)ウィリアム・ワーズワースの詩における古物研究の影響を調査すること(2)彼の生涯と作品における古物研究とワーズワースの旅行の関係を詳しく調べることです。 研究ではワーズワースの詩には全体を通して古物研究の影響がみられるが、その価値については矛盾する表現があることが分かりました。また、彼の旅行と古物研究に対する態度の間に動的関係が存在すると結論付けました。 今後の研究では、古物研究のみならず、スコラ哲学・自然哲学(近代科学)・「巨匠」の性格といった観点から、ルネッサンス~18世紀にかけて興った知的文化でのワーズワースの詩の役割をより広く解明することが必要です。
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