従来、南北戦争後のアメリカ文学はリアリズムの時代に区分され、小説がその研究の中心であったが、本研究は、Herman MelvilleやWalt Whitmanの詩作品をE.C. Stedmanらの批評言説と対照させることによって、南北融和を達成し帝国化しつつあるアメリカにおける詩文化の重要性とアメリカの文化的ナショナリズムを明らかにした。その際、環大西洋文化交流がアメリカ詩の制度化に重要な役割を果たした点についても明らかにし、グローバルマッピングにおける「アメリカン・ヴィクトリア詩」の位置を捉え直すことに貢献した。
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