本研究は、「文学と理論」すなわち「『文学的なるもの』を理論化する」という知的営為/意志の所在を歴史的に探究することを目的とし、その主たる研究対象として英語圏における「新批評」を焦点化することでスタートした。一次資料の調査や国内外の研究者との対話を通して、従来の文学史的理解には収まらない「新批評」の潜在力を引き出そうとするうちに、当初の歴史的アプローチから離れ、より原理的な考察へと舵をきることとなった。また、その過程で他分野の若手研究者たちとのネットワークが形成され、結果的に「文学理論の生態学的転回にむけた学際的共同研究」(科学研究費補助金・基盤(B))へと発展することとなった。
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