研究課題/領域番号 |
24720141
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西垣 佐理 近畿大学, 農学部, 講師 (00581042)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヴィクトリア朝文学 / 物語 / 看護 / 歴史 / 文化 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、エリザベス・ギャスケルの2つの短編小説を当該テーマに基づく論文、「「マーサ・プレストン」と「一時代前の物語」―看護がもたらす自立と共生―」を執筆し、平成27年10月3日に名古屋大学で行われた日本ギャスケル協会第27回大会シンポジウムで口頭発表をおこなった。なお、この論文は11月に日本ギャスケル協会編『没後150年記念 エリザベス・ギャスケル中・短編小説研究』に所収され、大阪教育図書より出版された。 さらに、ヴァージニア・ウルフの小説『灯台へ』と当該研究課題に基づく研究論文「『灯台へ』にみるヴィクトリアン・ナースとしてのラムジー夫人」を執筆し、平成28年3月に『関西学院大学英米文学』第60巻に掲載された。 平成27年度は国内学会および海外学会への出張等における情報・資料収集で、現在の計画に入っていない作家(ウィリアム・メイクピース・サッカレー、フランシス・ホジソン・バーネットなど)に関しても当該課題における研究の可能性などを探ることができ、研究計画の広がりを感じることができたのは、大変大きな収穫であった。 次年度は最終年度に当たるため、これまで執筆した論文や今年度収集した資料などを基に、計画に記載していた作家の中でも特にオリーブ・シュライナーやブロンテ姉妹、ディケンズの作品研究に焦点を当て、できるだけ早期に論文執筆あるいは学会等での研究発表を行うようにして、研究計画を遂行していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、口頭発表が1回、論文発表が2本と、それまで出産・育児でやや遅れていた部分を大幅に取り戻すこととができたように思う。さらに、研究計画の広がりで、当初想定していなかった作家を扱うことができ、研究計画上大きな進展が見込めたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの論文や研究に基づき、さらに計画通り、オリーブ・シュライナーの作品研究のために準備を進めていく予定であり、適宜論構築および執筆・発表を検討中である。そして、これまでの研究成果をまとめて発表すべく、書籍化の準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
育児休暇取得による1年延長のため、使用予定額がすべて1年遅れとなっている。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度までと同様、当初の研究計画に従い、資料・文献収集費用および学会発表費・海外出張費等に充当する予定である。
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