研究課題
若手研究(B)
本研究では、「男らしさ」という観点からハーマン・メルヴィルの中・長編小説の分析を行った。具体的には、身体をめぐる問題に焦点を当てながら『ホワイト・ジャケット』(1850)と『白鯨』(1851)を読み、近代アメリカ社会の規範的な「男らしさ」の観念から逸脱するような「男らしさ」が描き込まれていることを示した。さらに、『ベニト・セレノ』(1855)と『ビリー・バッド』(1924)に関する議論では男同士のケアに注目し、その中で「男らしさ」の規範が攪乱される状況が描かれているということを示した。
米文学