研究課題/領域番号 |
24720147
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鴻野 わか菜 千葉大学, 文学部, 准教授 (50359593)
|
キーワード | ロシア文学 / ロシア文化 / ロシア美術 / 現代詩 / 表象文化 / 国際情報交換、ロシア |
研究概要 |
4月はイリヤ・レーピン研究を継続し、その成果を講演「甦るレーピン――移動派の現代性」2013年4月21日(神奈川県立近代美術館葉山)として発表した。5~6月は、現代ロシア美術の検閲の問題を発展させ、パフォーマンスアートというテーマに新たに取り組み、その成果を口頭発表「70年代ソ連のパフォーマンス・アート─非公式活動のゆくえ─」公開コロキウム「社会システムにおける身体/アート」,2013年6月23日(立命館大学衣笠キャンパス)として発表した。 7~9月は、現代ロシアの文学の状況についての研究を深め、研究ノート「現代ロシア詩人の肖像――ドミートリー・プリゴフ」『千葉大学比較文化研究』創刊号(千葉大学文学部比較文化論講座,2013年)、「翻訳と改題 空と大地のあいだで――フセヴォロト・ネクラーソフ」(『人文研究』第43号)を執筆した。9月にはモスクワで、カバコフ、モナスティルスキーをはじめとする各作家の取材と調査を行った。同時期、2015年に幕張で開催される国際学会におけるアンドレイ・ベールイのパネルの準備も行った。 11月から1月にかけて、書評「片山ふえ『ガガです、ガカの――ロシア未来派の裔ゲオルギイ・コヴェンチューク』」およびロシアのポスター展についての書評論文を準備すると同時に、ロシア現代美術におけるテクストの問題の研究を進めた。この時期から3月にかけてのロシア美術・文学とテクストの研究の成果の一部は、論文「ロシアのパフォーマンス・アート「ヴァイナー」&「プッシー・ライオット」――身体と社会」、口頭発表「ロシア現代美術のシステムの変容――ソ連崩壊以後」「総括コロキウム:社会システム〈芸術〉とその変容 」2014年2月1日(東京藝術大学)、口頭発表「イリヤ・カバコフ/ソ連文化/グローバル・アート・ワールド」「ロシア文化の悲劇 国家崩壊期の芸術」2014年3月8日として発表された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ロシア文化についての多数の口頭発表および講演を行い、国際会議のために招聘されたロシア人研究者、日本人研究者との討議および意見交換によって、研究を深化させる機会を得ることができた。 論文、研究ノート、書評論文、書評、翻訳と改題等によって、研究成果を公開することができた。 ロシア現代美術研究の成果をいかして、日本の芸術祭へのロシア人アーティストの招聘、コーディネートに携わり、研究の成果を社会に還元することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、4月から5月にかけて、現代ロシア美術研究および、モスクワ・コンセプチュアリズムにおける美術とテクストの問題について、可能であればカバコフ、ブラートフの取材を行った上で、文献と資料の精査を行い、研究を深化させる。 6月から9月にかけて、昨年度執筆したロシア現代文学の状況についてのテクストを校正し、現代ロシア美術、現代ロシア映画の状況と合わせて検討し、ソ連崩壊後の文学・文化システムの変容について、総合的な視点を持つテクストを完成させる。可能であれば、夏期にモスクワでアーティストブックの調査を行う。 10月以降は、モスクワ・コンセプチュアリズムとソッツ・アートにおける文学と美術の研究に本格的に移行する。それと同時に、2015年の幕張における国際学会のためのアンドレイ・ベールイ研究を再開する。
|