研究課題
若手研究(B)
本研究では1920~30年代のプロレタリア革命童話を出発点に、戦後、東ドイツにおいて社会主義児童文学が形成・展開するさまを分析した。その際、とりわけアレックス・ウェディング(1905-1966)の文学活動に注目し、彼女の代表作『エデとウンク』(1931)が果たした役割の大きさを指摘した。具体的には、ケストナーの影響下にありながらも、市民階級ではなく、労働者世界や都市の周縁部に生きるロマの子どもの生活実態を詳述している点に、社会主義リアリズム(児童)文学の萌芽を見て取った。
近現代ドイツ・オーストリア文学