20世紀フランスにおける文学作品およびレトリック再興の流れにおいて従来とは異なる新たな「類似性」が提起されたことを証し立て、その意義を究明する、という目的に沿って、主として以下の研究を行った。 (1)モーリス・ブランショの小説における「ヴェロニカの聖骸布」神話の読み換えを分析した。またブランショの「イメージ」概念の宮川淳による受容を分析すると共に、サルトルとブランショのジャコメッティ批評を検討した。 (2)1960-70年代の「隠喩」論争を整理すると共に、その現代における帰結といえるブリュノ・クレマンの思想を分析した。(3)ジャック・デリダのミメーシス論である「散種」および「蚕」を翻訳し分析した。
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