研究課題/領域番号 |
24720166
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
陳 羽中 広島大学, 文学研究科, 准教授 (50457412)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 集注文選 / 旧鈔本 / 国際研究者交流 / 文選表注 / 白氏文集 / 九条本 / 冷泉家文選巻二 |
研究概要 |
本年度は、[1]日本における文選学研究成果の整理。[2]九条本、冷泉家本を中心とする旧鈔本本文の翻刻と書入注の整理。[3]文選集注及び周辺文献の研究。[4]国外文選学者との共同研究。という四つの研究テーマに分けて調査及び研究を行った。具体的には、以下の研究成果が得られた。①『1993年~2011年日本学者文選研究成果索引』を編纂し、これから国内外の学者に配布する。②『集注文選』の周辺資料とされる金沢本『白氏文集』巻十二を取り上げ、白居易文集の分類及び「琵琶引」「長恨歌」の本文に関する新たな見解を提示した。③九条本巻十五、冷泉家時雨亭文庫蔵『文選』巻二を取り上げ、本文の翻字及び書入注の整理を行った。④『集注文選』の本文研究を行い、現存する巻帙に見える唐代各注本の原型を推定した。また、慶應義塾図書館蔵「文選表注」を取り上げ、九条本の紙背注と読み比べ、『集注文選』大学寮博士作説に新たな証拠を提示した。⑤中国社会科学院の文選研究者である劉躍進、呉光興、王秀臣を招聘し、広島大学所蔵の文選資料を巡って共同研究を行い、また、一部の研究成果を中国中世文学研究大会で報告した。⑥中国の清華大学中文系の招聘を受け、清華大学大学院に於いて「旧鈔本研究方法略論」の題目で講座を開講した。⑦国内外の蔵書機関が所蔵する文選資料の調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究は、概ね当初作成した平成二十四年度重点課題「三十巻本『文選』の復原(①東山御文庫蔵九条本『文選』に関する基礎的研究。②三十巻無注本『文選』の復原)」計画書の通りに展開しており、一定の研究成果を得られたのである。
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今後の研究の推進方策 |
①各年度の重点研究課題の内容を微調整し、調査機関が重複する場合、年度別の課題を同時進行することによって、より効率的な研究を進める。 ②より積極的に国際研究者との交流及び研究情報の交換を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
①文選旧鈔本資料の研究を継続する。各機関に出向き、所蔵する文選関連資料の調査を行い、三十巻文選テキストの復原作業を前進させる。 ②文選集注にみえる唐代文選注釈に対して総合的な研究を行い、かつ中世文献における文選関連史料を整理する。 ③中国の学者を招聘して、研究情報の交換及び共同研究を行う(前年度の残金は該当項目に計上する予定)。
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