研究課題/領域番号 |
24720171
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
杉浦 秀行 茨城大学, 留学生センター, 准教授 (70619626)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 同意 / 非同意 / ジェスチャー / 視線 / 非同意のバリエーション |
研究実績の概要 |
本研究は、日本語会話における相手の評価・意見に対する同意・非同意の強弱が、どのように相互行為の中で公然化されていくか、そのプロセスの解明に焦点を当てた研究である。本研究では、通常、分析対象として切り離されて捉えられている言語要素と(視線、表情、身体動作などの)非言語要素を、統一体として捉え、それらの同時的使用に着目し、(非)同意の強弱がどのように可視化されていくかを明らかにすることを目指している。平成26年度は「非同意の強さバリエーションとその構築プロセス」について、データ分析と論文執筆を充実させることが計画されていた。 データのさらなる拡充を図るべく、平成25年度に引き続き、データ分析の基礎となる5本の会話データの収録(ビデオ録画)を実施した。これまで蓄積されてきたデータを基に、同意・非同意における、とりわけジェスチャーと視線に着目してデータ分析を進めた。その結果の一部を、国際会話分析学会(International Conference on Conversation Analysis)と第34回社会言語科学会研究大会にて発表を行った。また、平成26年度は、第13回国際語用論学会(The 13th International Pragmatics Conference)で発表した内容についての論文執筆に着手した。しかしながら、当初の計画にあった「非同意の強さのバリエーション」についての分析は遅れており、平成27年度も引き続き分析を続ける必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度からの遅れの影響があり、平成26年度の工程も遅れが出ている。とりわけ、研究の基礎となるデータにおいて、本研究の分析対象(同意・非同意)の数を相当数確保するには、さらなるデータの確保が必要となり、データ収集に時間がかかるのに加え、獲得したデータを緻密に分析し、本研究の分析対象として適切なものを抽出するという作業に時間を要していることから遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は最終年度であるが、引き続きデータの分析を継続すると同時に、国内学会・国際学会における研究発表を行い、本研究の一つの集大成として国際ジャーナルに投稿するための論文執筆を継続することを並行して行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度までの研究の遅滞のため、研究発表に係る旅費、データ書き起こしのための謝金、英文校正のための謝金が未使用のものがあるため
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度ということもあり、研究発表に係る旅費、英文校正のための謝金のために次年度使用額を有効利用したい。また、データ収集も引き続き行っているので、その書き起こしのための謝金として利用したい。
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