本研究では、日本語のインターベンション効果と呼ばれる現象において、なぜ、母語話者間で文法性判断のずれやぶれが生じるのかを統語的な視点から説明を行った。具体例として、以下のものを参照。 (1) ??{誰も/誰か/健かメリー}が何を買ったの? 上記の例に関して、文法性判断は母語話者間で一致しない。その可変的な性格から、語用論で説明する研究者もいるが、本研究では、日本語のWH疑問文には統語的に2種類の疑問文に解釈ができ(WH疑問文とクイズ疑問文)、その二つを音韻論的に区別することはできない。その結果、正しい文脈を提供しないと母語話者はどちらの解釈で読めばよいのかわからず、文法性判断のずれやぶれを生じる。
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