研究課題/領域番号 |
24720193
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
武黒 麻紀子 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (80434223)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 言語人類学 / 相互行為 / 石垣島 |
研究実績の概要 |
2015年度は、学会発表、編著書の企画ととりまとめ、フィールドワークでのデータ収集を行い、これまでの研究のまとめと新たなテーマの模索という点で、大きな前進が見られた。2015年7月の国際語用学会では、Discourse and Discordanceというテーマでパネルを企画し、研究発表"Managing discordance in an island community: Examples from Ishigaki"を行った。石垣島で収集した相互行為のデータをもとに、島出身者と移住者のメタ語用的談話(両者がそれぞれ相手についてどのように語っているか)を分析した。それをさらに発展させた研究発表を、同年11月の日本英語学会シンポジウム「相互行為にみられる調和」でおこなった。島出身者と移住者との間のやりとりにおける、情報や対人関係上の力の不均衡とその調整の様子に着目し、メタ語用的談話でも根深い「不調和」に対し、相互行為の「今・ここ」にいる両者は空間指示枠や敬体・常体の転換などを駆使してミクロレベルでの解消あるいは調整を図っているが、標準語や敬語の変遷というマクロな社会文化史的視点から見ると、更なる「不調和」が根底に潜んでいる可能性を考察した。 こうした一連の研究成果をDiscourse and Discordanceというテーマで公表すべく、他の研究者を交えた編著書の出版に向けて、企画ととりまとめを行った。さらに、2016年3月には、石垣島に赴き、言語・文化の新たな側面に切り込むために、ユタへのインタビューやユタに関する人々のコメント、移住者へのインタビューを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度は、学会発表、編著書の企画ととりまとめ、フィールドワークでのデータ収集を行い、これまでの研究のまとめと新たな切り口から研究課題への模索という点で、大きな前進が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後もできる限りフィールドワークでデータを収集すると同時に、論文の執筆に時間を費やして、成果を発表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度は12月まで育児休業のため、学会やフィールドワークに出かけることがかなわなかったことから、その時の分の予算が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
学会出張やフィールドワークの関連で使用する。
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