多様な背景を持つ人々を受け入れてきた歴史から『合衆国』とも呼ばれる石垣島で、島出身者と移住者の間の相互行為を分析した。友好的な関係に見える島民と移住者にも隔たりがないとは言えず、島出身者とそれ以外の者、沖縄県出身者と他県からの移住者、移住者間でも、島生活の長さ、ネイティブ度、島全般の知識、専門技能の有無に応じて力関係があることが分かった。『合衆国』の構成員は、相互行為の「今・ここ」で瞬時に変化する力関係や嫉妬、羨望といった感情に対処しながら友好的な関係を構築しようとしていることを国内外の学会で発表した。
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