研究課題/領域番号 |
24720194
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
氷野 善寛 関西大学, アジア文化研究センター, PD (80512706)
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キーワード | 中国語 / 中国語教材 / 中国語教育 / データベース / ディジタルアーカイヴ |
研究概要 |
25年度は本研究の期間を通じて構築、運用中である『中国語教材データべ―ス』(http://www.chlang.org/book.php)について、データの拡充やバグの修正を行うと共に、新たな機能として「文献相互参照機能」を実装した。これにより、データベース上で特定の教材と別の教材を関連付けることが可能となった。さらに完成した『中国語教材データベース』については、7月に琉球大学、9月に天津外国語大学で開催された歴史的な中国語教材をテーマして扱った学会やシンポジウムにおいて、本研究の取り組みと合わせて紹介した。今後データの拡充とシステム的な調整を加え続け、より使いやすいデータベースにしていく予定である。 これと並行して、海外や日本国内の中国語教材の実情を把握するために、8月にアメリカのハーバード大学燕京図書館、翌3月に早稲田大学、東京大学等で中国語教材の調査を重点的に実施した。また古書店を通じて購入した中国語教材のうち、すでに著作権が切れてパブリックドメインとなっているものについて試験的にスキャン作業を行った。またサンプル調査の目的で一部の教材に対して語彙リストの抽出作業を実施するなどをした。この一連の調査で得られた情報については、26年度には『中国語教材データベース』や紙面を通じて公開できるよう検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1870年代から戦後期にいたるまでの、日本、中国、アメリカで刊行された主要な中国語教材の目録作成とデータベース化を1つ目の研究目的に設定していたが、このうち、データベースのシステム面について、当初設計した通りに問題なく動作しており、当初予定していた以上の成果を得られている。このことから「計画より順調に進んでいる」と言える。教材調査によるメタ情報獲得及び目録の作成については、日本で刊行された書籍については概ね順調に進んでいると言える一方、中国とアメリカについてはまだまだ完全に調査しきったとは言い難いが、実地調査などを通じて少しずつではあるが着実に進展している。2つめの教材のメタ情報の収集と分析、主要な教材の語彙リスト作成による基本語彙のデータベースの構築についてはサンプル的な調査を実施した。この部分については、26年度の課題と密接につながる部分が多いので作業途上ではあるが、以上の点からおおむね順調に進んでいると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は引き続き中国語教材を歴史的に多く所蔵している国内外の図書館ないしは研究機関の蔵書について調査を行う。また教材のメタ情報の整理とそれに対する分析、主要な教材の語彙リスト作成による基本語彙データベースの構築をハード面とソフト面の両方から行っていく。また25年度に調査した内容を含め報告を行い、最終的には3年間の研究期間で得られた内容を報告書にまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が国内外での調査費用として旅費を計上していたが、当初の見込みより安くチケットを手配することがきたため次年度繰り越し分が生じた。 資料整理のための人件費と研究代表者による国内外の調査に関わる旅費などの費用に充当する。
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