本研究では、特定の言語表現の理解とワーキングメモリの関連性について、単に関連性の有無を検討する段階から一歩踏み込み、ワーキングメモリへの保持負荷を軽減・増大させることにより理解に変化が認められるか(文理解課題における正答率の上昇/低下として現れるのか)否かを明らかにすることを通じ、幼児の言語理解に及ぼすワーキングメモリの影響の一端を解明することを目的としている。 平成26年度は平成25年度に実施できなかった幼児を対象とした本格的調査を実施し、かきまぜ文を含む様々な構文において、ワーキングメモリへの保持負荷を増大させることで理解課題の成績低下が認められることを実験により示した。この成果に関しては、平成27年度中に学会発表、論文投稿といった形で公にする予定である。また、聴覚的な情報保持にとって重要となる聴覚フィードバックに関して、聴覚フィードバックへの保持負荷の可能性を検討する目的で、遅延聴覚フィードバックに関する研究を行った。
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