• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

「標準語」の影響下における明治大正期関西弁の実態

研究課題

研究課題/領域番号 24720204
研究機関埼玉大学

研究代表者

村上 謙  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (20431728)

キーワード日本語
研究概要

明治大正期関西弁における標準語の影響について研究を行った。大まかには、○曾我廼家五郎脚本資料のテキストデータ化と基礎的調査、○それに基づいた研究論文の執筆、である。それぞれについて、以下に記す。
曾我廼家五郎脚本資料のテキストデータ化は昨年度から引き続くものであり、『曾我廼家五郎喜劇全集』全20編(1922-23刊)から抽出した作品をテキストデータ化した。これによってかなりまとまった量が蓄積されたことになり、今後の研究の精度も上がると予想される。なお、入力は専門業者に委託したため、支出費目が「謝金」ではなく、「その他」となったが、支出の趣旨は当初の予定通りである。また、昨年度から行ってきた基礎的研究の成果を公刊する機会を得た。村上謙(2013)「明治大正期関西弁資料としての曾我廼家五郎喜劇脚本群」(埼玉大学国語教育論叢(埼玉大学国語教育学会))である。また、これらの資料を活用して行った特殊研究として、村上謙(2013)「ジャからヤへ ─明治大正期関西弁指定表現体系における「標準語化」の影響─」(近代語研究第17集(近代語学会))も公刊することが出来た。当初、特殊研究は3年目以降に、と考えていただけに、この成果は予想以上の進展であり、また、大変貴重な機会であった。なお、研究費の支出として、各種資料の電子化のための機材(撮影、録音再生機材など)を購入したが、これらを今後の資料の拡充に使用する予定である。また、関西弁の最東端を調査すべく、長野県松本市近辺から新潟県糸井川市近辺を踏査したが、来年度以降もこうした実地調査を行いたいと考えている。
上記のように、本年度も大変順調であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究の進捗状況はきわめて良好である。言うまでもなく、研究論文を2本も公刊できたことがそれを直接的に示している。また、入力作業に関しても、たいへん精度の高い業者に依頼出来たため、校正などにかかる時間を大幅に短縮できた。

今後の研究の推進方策

この調子で進めたい。なお、当初、大まかには、研究期間全4年分のうち、基礎的研究に最初の2年、その後、それに基づく特殊研究を2年と考えていたが、本年度、すでに特殊研究に着手できたため、やや余裕をもって取り組むことが出来そうである。また、資料探索などの基礎研究の面にも余裕が出てくるだろうと思われる。次年度の研究計画は、戦前における標準語政策と近代関西弁研究の学史的展開のあり方を跡付けようと考えている。したがって、来年度はそれらに関する資料の収集と、実地調査などを考えており、その分の旅費を計上してある(合計10日ほど)。また、関西弁資料の収集とテキストデータ化も引き続き行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 森勇太「近世上方における連用形命令の成立」に対する所感・反論2014

    • 著者名/発表者名
      村上謙
    • 雑誌名

      日本語の研究

      巻: 256 ページ: 72~76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ジャからヤへ ─明治大正期関西弁指定表現体系における「標準語化」の影響─2013

    • 著者名/発表者名
      村上謙
    • 雑誌名

      近代語研究

      巻: 17 ページ: 97~114

  • [雑誌論文] 明治大正期関西弁資料としての曾我廼家五郎喜劇脚本群2013

    • 著者名/発表者名
      村上謙
    • 雑誌名

      埼玉大学国語教育論叢

      巻: 16 ページ: 1~15

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi