研究課題/領域番号 |
24720223
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
今野 弘章 和光大学, 表現学部, 講師 (80433639)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | インターフェイス / 統語論 / 機能範疇 / 語用論 / 伝達意図 / 類像性 |
研究概要 |
本研究は、統語論と語用論のインターフェイスの観点から日英語の機能範疇を欠く構文と文法化により新たに機能範疇化した要素を含む構文を観察し、以下の2つの(相互に関係する)類像的対応関係の妥当性を検証することを目的とする。(i)(ある言語表現が)統語構造において機能範疇を欠くという形式的特性と(その表現が)意味構造において話者の伝達意図(話者が聞き手の存在を想定すること、以下「伝達意図」)を欠くという機能的特性との関連、(ii)機能範疇を持つという形式的特性と伝達意図を持つという機能的特性との関連。研究期間は平成24年度から平成26年度までの3年間であり、それぞれの年度ごとに、(i)の検証、(ii)の検証、理論的考察の順に研究を実施していく計画である。 平成24年度は、本研究の目的全体との関連で重要になる言語学・心理学の文献を収集・調査した。その上で、(i)の対応関係に関連する英語のMad Magazine構文と日記文についての研究を進めた。その結果、両構文が(i)の関係を支持する現象であるという見通しを得た。このことは、(i)の対応関係の妥当性を示すだけでなく、平成25年度に研究を予定している、(i)と対になる(ii)の対応関係の妥当性を検証する上でも重要である。今年度は、さらに、(ii)と関連する現象として、日本語の形容詞「やばい」の程度副詞化についての考察も開始した。これらの研究成果については、さらに考察を深めた上で、平成25年度に国内で口頭発表し(平成25年10月開催予定のワークショップでの発表一件決定済み)、論文にまとめる予定である。 また、本研究課題の着想のきっかけとなった研究代表者の論文(「イ落ち」『言語研究』141:5-31, 2012年3月)が2012年度の日本言語学会論文賞を受賞し、学界において一定の評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果を年度内に口頭発表できていないという点において、本研究課題は、現時点では申請時の計画に比べてやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、まず前年度の研究成果を口頭発表して論文にまとめるという研究のアウトプットを実行する。その上で、当初の計画通り、(ii)の妥当性を検証するための研究を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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