研究課題
本年度は、以下の3点について研究を進めた。①平成26年度に行った個別現象に関する研究成果を論文にまとめた。②平成26年度に開始した個別現象に関する研究をさらに進め、学会で口頭発表するとともに論文にまとめた。③最終年度として、本研究で扱った個別現象全体が持つ理論的意義について考察し、本研究課題から派生する新たな研究テーマを設定した。①に関しては、平成26年度に口頭発表した形容詞「やばい」の副詞的用法に関する研究と日英語の非伝達的表現が持つ文法的意義に関する研究を論文にまとめ、坪本篤朗教授退職記念論文集『言語研究の視座』と日本英語学会学会誌English Linguisticsに投稿した。前者は2015年3月に出版され、後者は、査読の結果、平成27年度に発行されるEnglish Linguistics 32に掲載されることが決定した。②に関しては、平成26年度に行った「からの」の単独用法に関する調査・記述結果を踏まえ、当該の用法が、形式的には「からの」の前後にそれぞれ主題と焦点に対応するゼロ代名詞を含むDPであること、機能的には、話し手が、「からの」に先行する状況を当該談話の主題として受け、それに引き続き、先行状況とは異なる状況を焦点として後続する談話で聞き手に提示するあるいは聞き手に提示するよう要請する際に用いられるという特徴を持つことを明らかにした。この結論は、本研究課題で検証している形と意味の対応関係の1つ(「機能範疇を持つという形式的特性と伝達意図を持つという機能的特性が類像的に対応する場合がある」)の妥当性を示すものである。当該の研究成果を、関西言語学会第39回大会で口頭発表し、論文にまとめて当該学会が発行する大会発表論文集に投稿した。この論文は、平成27年度に発行されるKLS 35に掲載される予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
深田智・ 西田光一・ 田村敏広(編), 『言語研究の視座』, 開拓社
巻: - ページ: 325-341
KLS
巻: 35 ページ: 未定
English Linguistics
巻: 32 ページ: 139-155
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