研究課題/領域番号 |
24720225
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
岩崎 真哉 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (90379214)
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キーワード | 主体性 / 文法化 / 認識様態性 / 構文化 / 認知言語学 |
研究概要 |
平成25年度の研究実績は次の5点にまとめられる。 (i)今年度新たに出版された認識様態性・主体性・文法化現象に関連する文献のリストを作成し、それらを読破し網羅的な調査を行い、まとめた。また、文献収集の際には、図書館だけでなく、コーパス・インターネットを用いた。特に今年度は、これまであまり用いたことがなかったアメリカの連続ドラマから集めた例文が掲載されているCorpus of American Soaps (TV) を詳細に調査した。 (ii)(i)の調査により発見された新たなデータを分類し、整理した。先行研究に関しては、問題点がないか、説明される事象は妥当であるか、矛盾はないか等考察した。 (iii)再度、用語の整理を行い、定義を検討する必要がないか調査した。 (iv) 昨年度行った研究と今年度の調査に基づき、論文執筆に取り掛かった。タイトルは仮に「Used to Be の構文化に関する一考察」としてあるが、今年度新たに出版された構文化に関する文献の重要性を述べながら、Used to Be の構文化について論じたものである。 (v)日本語の「おそらく」について構文化の観点から考察し始めた。日本語データに関する他の構文化を取り扱った論文も出始めているため、それらの読破と分析に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
その理由は以下の3点にまとめられる。 第1に、交付申請書に記載した「研究の目的」の通り、今年度新たに出版された文献に対して、その分析が順調に行えたからである。具体的には、その文献の主張点、新たなデータ・分析法、そして問題点と考えられる点・説明されるべき点をまとめることができたからである。 第2に、used to beの構文化について、新たなコーパスを調査し、論文にまとめることができたからである。 第3に、日本語の「おそらく」について、文法化と構文化の観点からの分析に取りかかっているためである。同じような振る舞いを行う日本語の言語現象にも注目している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は次の5点にまとめられる。 (i)引き続き、平成24年度、25年度に行った文献調査で、リストに漏れた文献や新しく出版された文献をリストアップし、当該研究課題に関係のある文献を収集する。(ii)言語データをさらに収集する。その際、まだ調査を行っていない、GloWbE (Corpus of Global Web-based English)を詳細に調査する。 (iii) 認知言語学的枠組みで、認識様態性・主体性・文法化・構文化の定義が矛盾のないものであるか、再度検討する。(iv) 平成25年度に執筆した論文を修正・拡大し、さらなるデータを説明できるものにする。(v)日本語の「おそらく」に関する分析を完成し、発表する。その発表の際に指摘された問題点・不備である点を修正し、さらに一般性の高い主張を行うように研究を改善する。
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