研究課題/領域番号 |
24720234
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
呉 禧受 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 研究員 (70594406)
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キーワード | バイリンガル教育 / 多言語環境 / ニューヨーク在住 / 韓国人親 / 日本人親 / インタビュー / 家庭言語保持 |
研究概要 |
本研究は、バイリンガル教育研究が一般の生活場面に浸透していないことが多々あることや外国人児童の家庭における言語教育に関する研究結果が少ない現実から、日本における韓国人親のバイリンガル教育に対するビリーフ(beliefs)を調査し、実際の家庭における言語教育とどのような関係があるかを検証するものである。 2013年度は、移民が多いことから第2言語としての英語教育が盛んであり、外国人児童に対するバイリンガル教育研究が進んでいるニューヨークにて、ニューヨーク市立大学の訪問研究員として研究を進める機会に恵まれた。大学で行われているバイリンガル教育研究のリサーチ・ミーティングやセミナーに参加する傍ら、ニューヨークで子どもを育てている韓国人親と日本人親を対象にインタビュー調査を行った。 研究当初である2012年には、日本における韓国人親のみを研究対象としていたが、ニューヨークに滞在していたお陰でニューヨーク在住の韓国人親と日本人親をも研究の対象に広げ調査を行うことができた。去年は韓国人親と日本人親のそれぞれ19人と7人のインタビューに成功した。インタビューは、主に家庭内でどのような言語教育を行っているか、子どもの言語使用の実態はどうか、子どもの言語実態に対する不安はあるか、などの内容を含む。 現在はインタビュー資料の文字化を行っており、文字化が終わる次第分析に取り掛かる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究当初である2012年には、調査協力者の募集などを考慮し研究対象を日本における韓国人親に限定して研究を進めていた。 2013年にアメリカ・ニューヨークで研究が行える機会に恵まれ、研究対象をニューヨークにおける韓国人親と日本人親にまで拡大し調査することができた。そうすることによって、外国人児童を育てる親のビリーフ(beliefs)と日本とアメリカという社会環境をも結びつけて考察することができるだけではなく、各親集団同士の比較も可能になった。以上のことから、さらに幅広い研究結果が得られることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は去年収集したインタビュー調査資料の文字化を進めるとともに分析を行う。 また、7月にはシドニーで行われる世界日本語教育大会にて学会発表を予定しており、さらに8月には名古屋大学にて行われる日韓共同研究会で研究発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度はモントリオールで行われたInternational Conference of Multilingualに参加し、世界で行われているバイリンガル研究の動向を確認し、さらに世界各地からの研究者との意見交換を行ったが、その際の旅費と宿泊費で使用した。なお、インタビュー資料の文字化のための電子装備の購入とインタビュー調査に協力してくれた韓国人親と日本人親に対する謝礼に支出した。 本年度は日本における韓国人親を対するインタビュー調査を行う予定であり、その際の謝礼に支出する予定である。また、5月に東京にてバイリンガル教育関連学会の研究会が行われるがその際の旅費と、7月に行われるシドニーでの学会における旅費に使用する予定である。
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