研究課題/領域番号 |
24720245
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研究機関 | 至誠館大学 |
研究代表者 |
田中 里奈 至誠館大学, 社会福祉学部, 講師 (40532031)
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キーワード | 韓国 / 「在日コリアン」 / 日本語教師 / ライフストーリー |
研究概要 |
本研究は日本で生まれ育ち、成人してから渡韓した在韓「在日コリアン」の日本語教師(以下、「在日コリアン」教師)たちへのライフストーリーの聞き取り調査から、教師たちの言語教育経験や言語意識を捉え、韓国の日本語教育史研究を新たな視点から描くことを目的とする。 平成25年度は、9月に韓国・ソウルを訪れ、資料収集とともに、「在日コリアン」教師へのライフストーリー・インタビュー調査を実施した。また、日本国内においても、資料収集、および、聞き取り調査を実施し、「母語」として身につけた言語が属する共同体の主要な国籍や血統を有していないこと、つまり、日本語を「母語」として身につけてはいるものの、国籍・血統が日本に属していないということが言語教育の現場でどのような意味をもつのかを検討した。 平成25年度は、これまでのインタビュー調査や文献調査をもとにして、5月に日本語教育学会、および、人の国際移動研究会にて、6月に日本移民学会にて、11月に言語文化教育研究会にて、平成26年2月に東京大学現代韓国研究センター(CCKS)特別研究会にて、研究報告を行い、さまざまなフィールドの研究者から有益なフィードバックを得ることができた。 平成26年度も引き続き追加の調査を少し行う予定ではあるが、既に収集を終えたデータの分析やこれまでの研究報告、また、さまざまな研究領域の知見を踏まえた上で、論文化を進めていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度のインタビュー調査、および、文獻調査で、研究課題を明らかにするために必要となるデータの大部分は手に入れることができた。平成26年度に追加の調査を短期間で行う必要もありそうではあるが、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は本研究の最終年度でもあるため、これまで収集したデータや資料などを踏まえ、単著論文としてまとめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度(平成24年度)に実施する予定だったインタビュー調査が十分ではなかったため、平成25年度は8~9月だけではなく、平成26年2~3月にも当初は実施する予定であった。だが、2~3月に渡韓することが難しかったため、「旅費」および「人件費・謝金」の項目をあまり使用しなかったため、次年度の使用額が生じた。 平成26年度は、再び8~9月にインタビュー調査を実施すべく、10日前後の韓国滞在を予定している。「海外旅費」および「人件費・謝金」(インタビュー協力者、および、文字おこしの委託先への支払い)に次年度への繰り越し分は使用する予定である。
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