研究課題/領域番号 |
24720247
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
濱田 陽 秋田大学, 学内共同利用施設等, 講師 (00588832)
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キーワード | 音声知覚向上 / リスニング力向上 / 自己モニター / シャドーイング / リスニング |
研究概要 |
2年目の当初の目的は、初年度の情報収集とパイロット研究により整理された デザインを基に、心理面・効果面・ 評価面についての実践研究を行い、理論と実践の整合性の検討を行う事であった。まず、心理面に関しては、大学二年生を対象に、「自己モニターとペアモニタ-」の効果を検証した。その結果、他人に聞かれることなく、シャドーイングしている声を自ら正確に確認できる自己モニターの効果が、英語力が低い学習者に対して、ペアモニターと比較すると優れていることが確認できた。さらに、効果面に関しては、改めて、シャドーイングは音声知覚の向上に効果があるということと、リスニング力向上は英語力が低い群に顕著に見られることが、大学1年生を対象にした実験をもとに確認できた。評価面に関しては、指導者側からは、シャドーイングの効果は、音声知覚の向上、リスニング力の向上に現れるという視点から確認可能であることを再認識した。また、学習者の視点からは、既述の自己モニターにより、シャドーイングの出来や向上に対する自己評価が可能になることを確認できた。さらに、近隣県立高校の協力を経て、高校1学年全員を対象に、夏期講習中にシャドーイングの実践を導入した。結果として、大半の生徒のリスニング力が向上したことが確認できた。以上を総合すると、平成25年度の3観点(心理面・効果面・評価面)からの目的はおおむね達成できたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の、自信や動機の観点からのシャドーイングの分析に加え、2年目の、心理面・効果面・ 評価面の3観点からのシャドーイング実践の分析が、既述のとおり、予定通り進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調な過去2年の研究をもとに、最終年度の目標は、2年間の実践研究を総括し、理論と実践の整合性のとれた、「動機減退学習者に配慮したシャドーイング指導ガイドライン」の作成である。既に、自信や動機面に関するシャドーイングの調査は一年目に終了し、二年目にはさらに心理面・効果面・ 評価面からの調査研究をおこない、心理面については予定通りである。一方、効果面・評価面に関してはリスニングのみならず、スピーキングへの積極的効果が見られる可能性があるため、この点に関して実践研究をおこない、その結果を踏まえて、3年間の研究を総括する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の購入を少し抑えたため 8月にオーストラリア・ブリスベンでおこなわれる国際学会発表、10月の筑波にての国内学会発表に大部分が消費される。さらに、残りの大部分は関連図書・論文校閲・分析補助のための人件費などで消費される。
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