研究課題/領域番号 |
24720251
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
ANTIER Emmanuel 金沢大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (40550190)
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キーワード | ネイティブ語学教師 / 職業倫理 / フランス語教育 / 異文化環境 |
研究概要 |
本年度は、前年度にフランスと日本において、ネイティブ外国語教員を対象として収録したインタビューデータの文字起こしと分析を継続して行った。インタビュー調査結果からは、異文化環境で教える言語文化教師が、どのような価値観や規範、職業倫理に基づいて言語文化教育活動を行っているのかということを知る手がかりが得られ、非常に有意義であった。 分析の際には、当初グラウンデット・セオリー・アプローチ(GTA)を用いる予定であった。しかし、インタビュー調査を分析後得られた仮説を検証するためにまた新たな質問項目を考えるという、調査と分析を並行して進めるこの研究手法は、海外で一度にデータを収集する本研究には適していなかった。そのため、すべてのデータを同一のテーマでまとめて分析するという手法に変更した。分析には、インタビューデータから抽出した要素を、職業倫理という観点からカテゴリー化し分類するという手法をとった。代表者のこれまでの研究成果において、「真実性」「他者性」「妥協」「信頼」「知識」という5つ柱に基づく職業倫理モデルを提案していたが、今回のインタビューデータの分析結果から、この職業倫理モデルを修正、細分化する必要があるとみられる。また、今回収録した日本におけるフランス語ネイティブ教員とフランスにおけるフランス語教員のデータも比較することで、自国で教える場合と異国で教える場合とに共通点がみられるのかを考察し、本研究で提案する職業倫理モデルのさらなる妥当性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、予定していた通り、前年度に日本とフランスで収録したすべてのインタビューデータを文字起こしし、分析に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、インタビューデータの分析を継続して行い、異文化環境で教えるネイティブ言語文化教師の職業倫理に関するモデルの構築を目指す。また、フランス語教育や外国語教育の関連学会で、研究成果の発表、意見交換を行いたい。 また、研究成果を、実際に異文化環境で教える言語文化教師や、今後教える予定の教師の自己研修に役立てるよう、マニュアルの作成や、ワークショップの企画等も検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
謝金の精算に際して、予算の10万円に収まるよう依頼したため。 次年度の謝金の支払に充てる予定である。
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