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2012 年度 実施状況報告書

英語学習者と日本語学習者におけるコロケーションの情報処理過程に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 24720252
研究種目

若手研究(B)

研究機関静岡大学

研究代表者

松野 和子  静岡大学, 大学教育センター, 講師 (80615790)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードコロケーション / 言語情報処理過程 / 第二言語習得 / 反応時間 / プライミング / 英語学習者 / 英語母語話者 / 言語転移
研究概要

本研究の目的は、英語学習者と日本語学習者におけるコロケーションの情報処理過程について、学習者の母語やコロケーションの統語形式によって処理方法が異なるかを明らかにすることである。
平成24年度は、第一に、(1)語彙の情報処理過程、(2)文の情報処理過程、(3)イディオムの情報処理過程仮説と統語処理に関する先行研究に基づき、コロケーションの情報処理過程のモデルを構築した。第二に、モデルを検証するための実験項目を作成した。American National Corpus より「動詞+名詞(目的語)」のコロケーションを抽出した後、文字数・音節数・音素数・親密度を考慮して、コロケーションに対して反応速度を比較する自由連結表現(free combinations)を作成した。その際、コロケーション内の単語と自由連結表現内の単語が同じ反応時間で処理されるかを実際に測定して実験項目の妥当性を調査した。次に、連想語に関するデータベースとアンケート調査によって、コロケーションを構成している一単語に対する連想語を選定した。また、コロケーションを構成している一単語のみが呈示された際に、選定した連想語への反応時間が速くなるかを実際に測定し、実験項目の妥当性を調査した。第三に、英語母語話者と日本人英語学習者を対象に、(a)コロケーションの反応時間と自由連結表現の反応時間を比較する実験と(b)コロケーションか自由連結表現のいずれかをプライムとして呈示した後に、コロケーションを構成している一単語と連想関係にある単語をターゲットとして呈示する反応時間実験を行った。実験によって得られたデータを分析した結果、コロケーション表現の意味を理解する情報処理方法は一律ではないが、英語母語話者では概して二重処理が用いられ、日本人英語学習者では分解処理や全体処理が用いられることが考察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、平成24年度に本研究の目的を達成するのに必要な全ての実験項目を作成し、平成25年度に予備実験と本実験を行う予定であった。しかしながら、実験方法を早い段階で検討して、必要に応じて調整したほうがより良い方法で実験が遂行されると判断したため、平成24年度に実験項目の一部を対象として実験を行いはじめた。そのため、当初の予定よりも実験項目の作成が遅れた。特に、日本語を対象とした実験項目の作成が遅れている。

今後の研究の推進方策

当初の予定よりも早い段階で実験手法について検討を行ったため、その検討結果に基づいて、日本語を対象とした実験項目の作成や実験を行う。また、実験の進捗状況に応じて、実験参加者数の増減を検討する。

次年度の研究費の使用計画

以下の点に研究費を使用する計画である。
1. 実験項目の作成に必要な経費:日本語コーパス、データ用コンピュータ
2. 実験に必要な経費:人件費・謝金、実験用コンピュータ
3. 学会参加に必要な経費
4. 先行研究の把握に必要な経費:関連専門図書 (第二言語習得、言語情報処理過程、コーパス、コロケーション)

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公開日: 2014-07-24  

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