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2012 年度 実施状況報告書

英語学術論文作成を目的としたピア・レビューの活用法―科学論文に焦点を当ててー

研究課題

研究課題/領域番号 24720255
研究機関京都大学

研究代表者

リー シーチェン・ナンシー  京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 講師 (60512308)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードピア・レビュー / 学術論文 / 理系英語学術論文
研究概要

学術論文の執筆は理系大学生にとって大きな課題である。現代の日本社会では、科学技術は海外から学び取るものだけではなく、グローバルに発信すべきものある。よって、グローバルな社会で活躍するために、英語を学術的に、「書く」と「読む」力を確保しないといけない。先行研究(科研課題番号21820010)では、理系英語学術論文に関する基礎研究が行われた。論文執筆のための指導法や教材が考察された。その結果、大学生の論文執筆能力を向上させるためにピア・レビューが高い効果をもたらしたことが実証された。本研究は英語科学論文執筆のため、ピア・レビューの活用とその効果を考察している。京都大学の必修英語学術ライティング授業(合計三つのクラス、100人の理系大学一年生)から参加者を集めた。被験者を3つのグループ、対照群、 実験群1及び実験群2に分けた。
Pre-testでは被験者全員にone paragraph (200 words)を書かせ、内容、構成、語彙、文法など観点から分エラー傾向析を行った。Treatmentではピア・レビューを実験群1及び実験群2のクラスに導入した。実験群1のクラスでは被験者は日本語を利用し、ピア・レビューを行った。実験群2のクラスでは被験者は英語を利用し、ピア・レビューを行った。Post-testでは被験者全員に同じone paragraph (200 words)を書かせ、内容、構成、語彙、文法など観点から分エラー傾向析を行った。
結果として対照群より、実験群1及び実験群2の被験者のライティングが上達することができた。また、実験群2より実験群1のライティング能力の方が高まった。この段階では日本人大学生の英語学術論文執筆のため、ピア・レビューの効果が確認できた。また、日本人大学生にとって日本語によるピア・レビューの効果が一番高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は英語科学論文執筆のため、ピア・レビューの活用とその効果の考察を目的としている。科学論文の執筆は大学生にとって極めて困難な課題である。その中、英語が母国語ではない日本人大学生にとって論文の執筆は更に難しい。先行研究(科研課題番号21820010)では、理系英語学術論文に関する基礎研究が行われた。論文執筆のための指導法や教材が考察された。その結果、大学生の論文執筆能力を向上させるためにピア・レビューが高い効果をもたらしたことが実証された。達成度としては以下である:
授業でのピア・レビューの導入仕方を考察することができた。訓練の繰り返しによって、日本人大学生はピア・レビューを行うことができると分かった。しかし、ピア・レビューの導入に当たって幾つかの問題が発生した。1)大学生はピア・レビューに慣れるまで予測したより時間がかかる。よって、実験群にピア・レビューの訓練時間が不足していると考えられる。2)英語能力によってピア・レビューの学習効果が違ってくる。実験を実施している授業では英語の能力わけがないため、ピア・レビューの導入が難しい。英語能力が低い被験者のため、日本語の説明も必要であると考えられる。英語と日本語の使用によりピア・レビューにどのような違いが出るのかについて調査してみた。結果としては、英語よりも日本語の方が効果が高かった。特に文の内容や構成に対してコメントが多かった。コメントをする及び受け入れることにより、査読者の論文執筆能力がどのように変化するのかについて調査ができなかった。これを今後の課題の一つにしたい。

今後の研究の推進方策

24年度の研究課題に引きついて、25年度でも京都大学の必修英語学術ライティング授業(合計三つの授業、100人の理系大学一年生)から参加者を集める。被験者にone paragraph (200 words)を書かせ、作文の評価を行う。内容、構成、語彙、文法など観点から文のエラー傾向分析を行う。
被験者を3つのグループ、対照群、 実験群1及び実験群2に分け、Pre-test, treatment及びPost-testを行う予定である。
研究の結果を海外・国内の英語教育学会で発表する。

次年度の研究費の使用計画

研究費を主に謝礼と学会参加費で使用する予定である。
被験者が書いた文章を評価してもらうために、Native speaker TAに支払う謝礼である。また、エラー傾向分析を行うため、TAに支払う謝礼として使用する予定である。研究の結果を3つ(一つ海外の英語教育学会と二つ国内の英語教育学会)の学会で発表する予定である。最後に、SurveymonkeyというアンケートソフトとSPSSを購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Does peer review really improve Japanese students’ writing ability?2013

    • 著者名/発表者名
      Lee Shzh-chen Nancy
    • 雑誌名

      Temple University Applied Linguistics Colloquium Proceedings

      巻: 15 ページ: 1

  • [学会発表] Does peer review really improve Japanese students’ writing ability?2013

    • 著者名/発表者名
      Lee Shzh-chen Nancy
    • 学会等名
      The 15th Annual Temple University Japan Campus Applied Linguistics Colloquium
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      20130203-20130203
  • [学会発表] Changes in freshman students’ attitudes toward English learning2012

    • 著者名/発表者名
      Lee Shzh-chen Nancy
    • 学会等名
      Pan-Sig Conference
    • 発表場所
      Hiroshima
    • 年月日
      20120616-20120617

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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