学術論文の執筆は理系大学生にとって大きな課題である。グローバル的に活躍するために、英語の「書く」力を確保しないといけない。先行研究(科研課題番号21820010)では、理系英語学術論文に関する基礎研究が行われた。論文執筆のための指導法や教材が考察された。その結果、大学生の論文執筆能力を向上させるためにピア・レビューが高い効果をもたらしたことが実証された。本研究は英語科学論文執筆のため、ピア・レビューの活用とその効果を考察した。京都大学の必修英語学術ライティング授業(合計三つのクラス、100人の理系大学一年生)から参加者を集めた。被験者を3つのグループ、対照群、 実験群1及び実験群2に分けた。Pre-testでは被験者全員にone paragraph (200 words)を書かせ、内容、構成、語彙、文法など観点から分エラー傾向析を行った。Treatmentではピア・レビューを実験群1及び実験群2のクラスに導入した。実験群1のクラスでは被験者は日本語を利用し、ピア・レビューを行った。実験群2のクラスでは被験者は英語を利用し、ピア・レビューを行った。Post-testでは被験者全員に同じone paragraph(200 words)を書かせ、内容、構成、語彙、文法など観点から分エラー傾向析を行った。結果として対照群より、実験群1及び実験群2の被験者のライティングが上達することができた。また、実験群2より実験群1のライティング能力の方が上達することができた。本研究から日本人大学生の英語学術論文執筆能力の上達に、ピア・レビューは効果であったことが分かった。また、日本語によるピア・レビューの効果が一番高かったことが分かった。
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