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2013 年度 実施状況報告書

第二言語における定型表現の習得と処理およびその英語指導への導入のあり方について

研究課題

研究課題/領域番号 24720261
研究機関都留文科大学

研究代表者

奥脇 奈津美  都留文科大学, 文学部, 准教授 (60363884)

キーワード第二言語習得 / formulaic sequences
研究概要

イディオム、コロケーション、慣用句、比喩のようなパターン化した表現であり、ひとつのまとまり(チャンク)として心的辞書に貯蔵されているとされる「定型表現(formulaic sequences)」について、本年度は、さらに文献研究を進めながら、言語調査を通してデータを収集を進め、次年度の学会発表への準備をすることができた。
定型表現が人間言語に広くみられることは、コーパス研究等を通じて明らかにされてきたが、第二言語使用者にとって、その習得は上級レベルに至っても容易ではないことが、多くの研究で指摘されている。第二言語学習者にとって、定型表現が、なぜ最終段階に至っても難しい項目として残るのか、その要因となりえるものについて議論しながら、定型表現を学習項目として教授することの重要性について提案した論文を発表した。
また、次年度の国際学会での発表にむけて、データ収集を行った。60名の日本人英語学習者を被験者とし、テーマが異なる2種類の英文エッセイデータを書いてもらい、120の英文エッセイを収集し、そのなかに現れる定型表現について分析する準備を整えた。同じ被験者から、第二言語熟達度レベルと語彙力(語彙サイズ、また、語彙の深さに関する知識)に関するデータも集め、英文エッセイに現れる定型表現の数や種類との関連性を調査できるよう、準備を進めることができた。次年度の学会発表と論文投稿に向けて、今後分析をしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、第二言語熟達度が進んだレベルにおいても、他の言語領域とは異なり定型表現の習得は難しい項目として残ることについて、理論的研究をすることができた。そして、第二言語のスピーキングやライティングにおいて、L2らしさ(naturalness)や流暢性を求めるためには、定型表現を学習項目として教授することが重要性であるという考察を深め、それを論文にまとめることができた。これらの結果について、次年度の国際学会で発表することを計画の一つとして進めてきたが、そのためのデータ収集の大部分を終えることができた。
しかしながら、そのためのデーター収集が、あとわずかではあるが残っており、そのため、データの分析にやや遅れがでてしまっているのが現状である。

今後の研究の推進方策

今後は、残りのデータ収集を終え、データの分析を迅速に進めていく。理論的研究については、語彙とライティングの関係についてまとめながら、その考察を、ライティングにおける定型表現についての研究に広げていく。特に、ライティングに使用される語彙とライティング自体の評価との関係について、研究を進めていく。そして、これらの結果を踏まえ、次年度の夏に国際学会で発表し、論文にまとめる。

次年度の研究費の使用計画

言語調査のデータ収集が残っており、そのための謝礼の予算が未払いのため。また、データ分析が終わっておらず、協力者への謝礼も未払いであるため。
残りのデータ収集を行い、参加者に謝礼を支払う。また、データ分析を英語ネイティブスピーカーに依頼するが、その協力のための謝礼を支払う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The development of formulaic language in L22014

    • 著者名/発表者名
      奥脇奈津美
    • 雑誌名

      都留文科大学研究紀要

      巻: 79 ページ: 43-57

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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