本研究は、英語学習者による定型表現(FS:formulaic sequences)の使用を研究したものである。第二言語 (L2) 能力の発達に伴って、その知識と使用がどの程度発達するのかを検証した。言語習得への影響、特に語彙力やL2習熟度との関連性について調査するため、71名の日本人大学生から英文エッセイ2種類のデータを収集し、使用されたFSについて分析した結果、語彙力やライティング力は熟達度の上昇に伴って向上するが、FSにはそのような発達がみられなかった。このことから、本研究では、FS の言語使用における重要性、その習得の難しさ、教授項目と位置付けることの必要性が明らかになった。
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