日本の大学で英語教員養成課程を履修する学部生2名を対象に,英語教師になることに付随する不安・懸念の実体・実態並びに教育実習体験との関連性(実習における不安・懸念の形成・変容プロセス)を調査した。被験者個別のデータ分析と被験者間のデータ比較を基に,主な懸念材料は大きく3つに分類できる。「授業実践の方法」,「英語教師の英語力」,「他者の視線」である。それぞれの下位に,「職業的同一性」や「自己効力感」等の因子が存在する。教育実習を経て解消されなかった不安,「教師になる」意思を後押しする不安,教師としての適性を疑問視するきっかけとなりうる不安等を特定し,様々な不安の形成・変容プロセスを明らかにした。
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