研究課題/領域番号 |
24720271
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松崎 武志 明治大学, 政治経済学部, 准教授 (10582348)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 英語 / 教室 / 指導 / 暗記 / 外国語環境 / チャンク / 英会話 / 留学 |
研究概要 |
【本研究の目的】本研究は、外国語での流暢で正確なオーラル・コミュニケーション力を養う上でのチャンク記憶の重要性に着目し、ターゲット言語を使用する機会の限られている外国語環境における外国語学習者のチャンク学習促進の研究を大きく前進させることを目的としている。 【平成24年度の被験者ならびに研究成果】前期に、研究者が特任教員として在籍をしている明治大学において、留学検討者向けの科目(科目名「留学準備講座」)の教室指導を行い、31名の被験者から、アンケート回答およびスピーキング・テストのデータを採取した。また、夏期には、当該大学が提供している約一ヶ月間のアメリカ東海岸研修の引率をし、参加者25名の学生からも、データを採取した(※夏期研修グループからのスピーキング・テストのデータ回収は11名)。これまでに、前期授業の被験者から採取したデータを分析した論文発表、国際学会発表を各一度行い、その中で、「研究目的」で挙げている3つのフォーカスについて、以下の報告をした。 (1)語学授業がチャンク学習促進に果たしうる役割:授業でサンプル英会話の暗記を成績の一部とし、そして毎授業で暗記のチェックをすることにより、暗記作業への従事を促す効果が見られた。 (2)留学に対する学習モティベーションがチャンク学習促進に果たしうる役割:漠然と留学を意識している学生と比較して、近未来に留学をすることが決まっている学習者からは、より積極的な暗記作業への従事が見られた。(※留学最中の学習モティベーションがサンプル英会話の学習の程度に与える影響については、現在、検証中。) (3)学習題材そのものがチャンク学習促進に果たしうる役割:動画の教材は、音声教材と比較して、より高い学習効果が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、「9. 研究実績の概要」で触れた前期授業および夏期研修の参加者より、予定通り、データを採取することができた。そして、これまでに、論文発表、国際学会発表を、それぞれ一度ずつ、行っている。また、平成25年度前期の授業履修者からも前期開始時のデータ収集を済ませており、来る7月には国際学会(WorldCALL 2013)で発表をすることにもなっている。以上を踏まえ、本研究は、おおむね順調に進めることができていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
【平成25年度の被験者】研究者は、「9. 研究実績の概要」で触れた前期授業および夏期研修について、平成25年度も授業担当、研修引率を行うので、各グループの参加者に本研究への参加を依頼し、データ収集を行う。 【研究デザインの改良】前年度のアンケート調査、スピーキング・テスト実施から、デザイン面での要改善点が諸々見つかった。平成25年度は、これら改善点を踏まえたアンケート調査、スピーキング・テスト実施を行う。 【スピーキング・データの分析】英語および日本語のスピーチ・データの文字起こし作業が膨大な時間を要するため、この作業の補助に対して、謝金の配分を行う。 【学会発表・論文発表】まず、学会発表については、既に、来る7月に国際学会(WorldCALL 2013)で発表することは決まっている。現在、国内学会での発表も申し込んであり、結果待ちの状態である。論文発表についても、最低2本の発表を行う予定であり、うち1本は海外学術誌への投稿を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通り被験者データ分析、学会発表、論文発表を行っていくべく、物品費25万円、謝金20万円、旅費20万円、その他5万円にて研究費の使用を計画している。
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