【本研究の目的】本研究は、外国語での流暢で正確なオーラル・コミュニケーション力を養う上でのレキシカル・フレーズ記憶の重要性に着目し、ターゲット言語を使用する機会の限られている外国語環境における外国語学習者のレキシカル・フレーズ学習促進の研究を大きく前進させることを目的としている。 【平成25年度の被験者ならびに研究成果】前期に、研究者が特任教員として在籍をしている明治大学において、留学検討者向けの科目(科目名「留学準備講座」)の教室指導を行い、27名の被験者から、アンケート回答およびスピーキング・テストのデータを採取した。ここで用いたスピーキング・テスト、アンケートの内容については、前年度のアンケート調査、スピーキング・テスト実施から、デザイン面での要改善点が諸々見つかっていたので、これら改善点を踏まえたアンケート調査、スピーキング・テスト実施を行った。夏期には、当該大学が提供している約一ヶ月間のアメリカ東海岸研修の引率をし、参加者11名の学生からも、データを採取した。平成25年度データの分析は未発表だが、平成24年度の被験者データの分析については、国際学会発表、論文発表を各一度行い、その中で、以下4点について報告した。(1)授業でサンプル英会話の暗記を成績の一部とし、そして毎授業で暗記のチェックをすることにより、レキシカル・フレーズの記憶促進効果が見られた(2)音声教材、動画教材は暗記学習継続の助けとなることが見られた。(3)視聴覚教材(特に動画教材)を活用することで音声面、そしてボディ・ランゲージ面の学習が起こることを予測していたが、実際には、前者に関して、より多くの学習が見られた。(4)ウェブ・ベースの視聴覚教材の活用の程度については、被験者間で大きな違いが見られた。
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