研究課題/領域番号 |
24720274
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
竹田 真紀子 愛知学院大学, 総合政策学部, 講師 (30521744)
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キーワード | 英語教育 / 英語プログラム評価 / アクレディテーション / 教育の質保証 / 教育改善 / 大学認証評価 / 国際情報交換 / イギリス:アメリカ |
研究概要 |
前年度の文献調査をふまえて以下の三点について調査を実施した。1. 大学認証評価の自己点検評価書に関する調査 2. 大学英語プログラム評価の実施状況と英語教員のプログラム評価に対する意識調査 3. British Councilの英語プログラム認証評価に関する実地調査 これまでの調査により、日本の認証評価は、その評価の性質や実施方法のため、形式的な内容になり改善の為の評価活動にならないことも多く、個別の教育機関における英語教育の質をどれくらい保証できているのか疑問であることがわかってきた。また、評価活動に関しても、報告されている事例は非常に少なく、改善案や方向性を模索する上で、その方法や活用に関して現状を把握する必要があった。よって1において、私立大学4校の12の英語プログラムの自己点検評価書を精査することにより、評価の土台である評価書から英語教育の質を判断することが可能であるかついて検証を試みた。2では、英語教育の質改善において必要不可欠であるプログラム評価の実施状況の実態とそれに対する教員の意識を調査することにより、評価活動が改善に繋がっていかない原因を追求した。3 については、British Councilのアクレディテーションユニットの本部とその訪問視察官2名、British Councilの認証を受けている学校6校の評価担当者計8名にインタビュー調査を実施した。この調査において認証評価機関と評価を受けている教育機関の両方を調査することにより評価の全体像を掴むことができた。その上で日本の英語プログラム評価との相違点を明らかにし、日本の文脈で導入や応用が可能であるかを検証した。 上記1と2に関しては、学術論文及び学会発表にて一部成果を発表できているが、3に関しては、現在論文を執筆中である。また今年度中に3に関しての学会発表を(海外と国内)を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が遅れている主な原因は、前年度の遅れによるものである。平成25年度は、研究者の所属機関の新カリキュラム導入の年であり、その英語プログラムの責任者としての業務が多忙であったため前年度の遅れを取り戻すことはできなかった。また、予定していた調査は、ほぼ予定通り終えることはできたが、その報告に関してはまだ一部しかできていないのが現状である。現在British Council及び認証を受けている教育機関に関する実地調査の論文を執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
報告が不十分ではあるが、平成24-25年度を通して以下の調査を終えている。1. 日本の認証評価機関、評価制度に関する文献調査 2. 英語教育における日本の認証評価の運用に関する調査(自己点検評価書と教育の質保証・改善に関する調査、教育機関における評価の実態と評価活動に携わる教員の評価への意識調査)3. British Councilに関する文献調査及び実地調査 平成26年度はこれらの調査に関する報告を論文及び学会発表によって行うとともに、以下の2点に関して研究を計画している。1. アメリカの英語教育認証評価機関CEAに関する文献調査及び実地調査 2. 日本の認証評価と海外の英語教育の認証評価機関及び制度の比較研究 平成25年度の調査報告書に示した通り、助成金額の関係上、海外の英語教育認証評価機関の調査を2つに絞る必要がある。平成26年度はイギリス同様、英語教育産業が発展しているアメリカの認証評価機関であるCEAを調査する予定である。またCEAに関しても実際にその英語教育に特化した評価基準や評価のあり方が現場でどのように活用され、教育改善に反映されているのかについてインタビューによる実地調査を行い、最終的にBritish Council 及びCEAの調査から見えてきた日本の英語教育評価の課題をまとめる。 「現在までの達成度」で示した通り、初年度に研究が予定通り進まなかったため、研究最終年度である今年度中に、研究計画のすべてを終了することは不可能である。よって研究期間を1年延長し、平成27年度には、その日本の文脈での英語教育評価の課題をもとに、大学が恒常的に英語プログラムを改善していくことができるプロトタイプの英語教育評価基準と評価方法のあり方を提言する。またその評価基準を用いて、実際にいくつかの日本の大学の英語プログラム評価を実施し報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究調査開始当初は、平成25年度までに2カ国の海外の認証評価機関を調査予定であったが、「現在までの達成度」で示した通り、研究者の所属機関の移動及びその他の理由において1カ国しか終えられていないことが主な理由である。 平成26年度は、アメリカの英語教育認証評価機関であるCEAを調査予定であり、その旅費及びデータ収集のための謝金、調査後のデータを処理する為のテープ起こし等の費用が必要になる。また国際学会であるAILA(International Association of Applied Linguistics) においてオーストラリアのブリスベンで現在までの調査について報告を予定している。さらに国内での少なくとも2回の研究成果発表を予定しているのでその為の旅費に研究費を使用予定である。現在研究が遅れている状況であるため、研究期間を一年延長し、平成27年度に研究発表及び報告書の出版等のための研究費を使用予定である。
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