研究概要 |
本研究の目的は,1) 自己調整学習の枠組みを用いて,自律的な英語語彙学習を指導によって活性化させる方法を探り,そこから 2) より良い自己調整語彙学習指導モデルの具体的な提言を行うことであった。これまでの語彙学習方略研究では,認知方略やメタ認知方略 のみに焦点を当てられるものが多く,学習者の動機づけ,目標設定,自己モニタリング,そして学習環境のコントロールなどの現実の学習において重要であると考えられる情意面がどのように有機的にかかわっているかは明らかにされていない。そのため,本研究では,自己調整学習の枠組みを利用し,語彙学習方略指導モデルを構築し,外国語教育に資することを目的とした。 平成24年度には,自己調整学習の枠組みの検証,ならびに自己調整学習のプロセス(計画,実行,振り返り)を測定する質問紙と,能力の変化を測定するための語彙テストを作成した。この成果は,平成24年9月にニュージーランドで開催された Independent Learning Association Conference 2012 で報告され,論文としても国際ジャーナルに掲載された。 平成25年度には,自己調整学習の枠組みを指導・学習に取り入れることで,どのように学習者の変化が起こるかを8 ヶ月の縦断調査によって明らかにした(論文として発表済み)。また,これらの研究成果は,平成25年6月に福岡で開催された国際シンポジウム(Vocabulary Symposium 2013)や,12月の国際学会(Vocab@Vic 2013 , New Zealand)などで報告された。
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