研究課題/領域番号 |
24720278
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
スチュワート ジェフリー 九州産業大学, 語学教育研究センター, 常勤講師 (40536306)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 語彙習得 / 第二言語習得論理 |
研究概要 |
本年度は計画どおり、語彙知識の副次的能力のテストを実施した。語彙サイズをYes/Noテストの使用により推定し、語彙的組織は丹後連想テストで、語彙の「深さ」は連語テストで測定し、最後に語彙知識の自働性は反応時間テストの使用により測定した。受験した学生は595名で、紙ベースとコンピュータベースのテストを受けた。 結果については、紙ベーステストの場合、OMR(マーク読み取り)ソフトウェアにより採点し、コンピュータベースのテストの場合、反応時間をコンピュータにより採点した。 なお、計画の中で若干変更した部分もあった。つまり、計画書において説明したテストに加え、語彙サイズを調べるために、Beglar and Nation のVocabulary Size Testを実施したこと、また単語連想を調べるために、John ReadのWord Associates Testを実施したことである。さらに、産出知識を調べるために、調査者により設計された特別な産出テストを実施した。これらは、次元性の相違が、まさにテスト形式(多特性や多方法)よりも、むしろ仮説された構図における違いによるためだったか否かを確かめるため実施したものである。 データ分析については、計画通りに項目について一次元に関して調べ、全体的なデータを探索的因子分析により実施した。加えて、私が科研費で購入することができた構造方程式モデリングのソフトウェアの使用により分析した初期の研究結果を詳述した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年私が行った探索的因子分析は、各テストによってテストされた語彙知識の形式が多次元的で、まったく異なることを示している。もしすべての形が単一テストによって測定されていれば、多次元的な項目反応を要していたであろう。しかしながら、今年の予備的結果は、テスト形式が異なるため、これが同じ構造を測定するために設計されたテスト間で生じた場合であるかもしれないことを示唆している。したがって、2013年度は、構造とテスト形式要因を区分するため、私はより洗練された多特性・多方法(MTMM)の分析を実行しなければならない。 私はまた、計画書の初期データを今まで以上に詳しく分析することができた。話された、多義の、そして文脈的な英語の語彙知識に関して、ソフトウェアは、語彙知識と付加的に分かれた、テスト形式の間の変数を計算した無相関な副次的能力がある双因子モデルは、データを最もよく計算し、データと極めて一致したことを示した。 この結果により、L2-L1指導が正当化されるが、学生たちはまた、これら追加的技能に対する付加的な指導から利益を得るかもしれないことを示唆している。このことは、語彙的組織が、深さとサイズは、探索的因子分析に基づき、まったく異なるけれども、L2語彙知識のほかの形式が異なる要因構造を示しているかもしれないことを示唆しており、本研究にとってまことに有意義な情報となった。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画したように、私は第二次サンプルを収集し、テストされた語彙知識の種類の確認的因子モデルを開発する。そのためのソフトとしては、初期に計画したLISRELの代わりに、Mplusを使用する。また、計画したように、CONQUESTソフトウェアを使用した測定モデルの下、多次元的テストを構築する。The Cardiff Applied LinguisticsLexical Studies Conference及びThe JALT conferenceにおいて、本研究を発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画書において、SUPERLABソフトウェア費用を盛り込んでいたが、同ソフトが本学でも利用できるようになったため、科研費から支出する必要がなくなった。また、研究代表者の研究上の理由(現在は快方に向かっている)から、予定していたいくつかの学会の出席をとりやめた。これらの理由により、未執行額が発生した。 次年度は、世界で最も影響力のある言語テスト会議である、ソウルで開かれる2013Language Testing Research Colloqium (LTRC) の他、国内外のいくつかの学会に参加して、情報収集・成果発表につとめたい。
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